研究のかきくけこ
緊急事態宣言が解除となり自粛ムードが緩和された頃、研究活動の方も動き出すこととしました。
やるのは基礎研究なので、THE 実験。
10数年振りのTHE 実験ということでマイクロピペットの使い方すらままならない状態。
μLを測るという感覚、どの量だとどのマイクロピペットを使うのか?というヨチヨチ歩き状態で始まりました。
基礎の実験というのは目に見えないことをやるので、理論とか、実験の意味とか、手技の意味とかが分からないとホント頭がぐちゃぐちゃになります。
どうしたらイオンチャネルが開いて、どの濃度の試薬をどのくらいの時間で使うととどういう効果がありそうか、さらにその後のセカンドメッセンジャーなどにどういう影響があるか・・・ということをひとつひとつ確かめていく作業。
ついていくのがやっと。というかついていけてない気がする。
こんなやつが博士課程とか行っていいのかい。
くじけそう。
そんな中、インターネットで「科学研究のかきくけこ」という研究のやり方の基本をまとめた言葉があるようなので紹介。
自分のような研究素人や小学生の自由研究にも使えます。
科学研究のかきくけこ
かきくけこは以下の項目の頭文字。
か:観察する
き:記録する
く:比べる
け:検討する
こ:考察する
順番はともかくこの5項目は、必須の項目のようです。
言われればそうりゃそうだなという感じではあるけど意識するのは大事。
か:観察する
これは実験の全行程において常に意識しないといけないことです。
どういう実験をしたらどういう事象が起きたのか。その実験のときに使った細胞は何で、どういう濃度のどういう試薬をつかったのか。正しい試薬を正しい手技で使えたか。
とにかく一挙手一投足を常に正しく意識しないと結果に影響します。意識し忘れると結果が正しいものなのかどうなのかも後では検証できないこともあるし。
き:記録する
実験はやるだけではなく記録することが大事。
ノートでもデータでもなんでもいいから、やったことを他人が見てもわかるように記録する。
実験でどういう数値が得られてそれがどういうことを意味していると思われるか。
記録することで自分が理解できているかどうかもはっきりします。
く:比べる
実験にとにかく比較は必須。比べなければその数値は、増えたのか、減ったのか、同じなのかがわからない。
当たり前だけど、普段見るニュースとかでもこれができていないことが多いです。
数字はひとつだけではほとんど意味をなさない。2つ以上を比べることによって機能が発揮されます。比べましょう。
け:検討する
結果を得るためにどういう実験をした方がいいのか。どういう試薬を使うといいのか。どういう条件でするといいのか。試行錯誤。
こ:考察する
結果をみて、それがどういう意味なのか。どういったことにつながるのか。
さらにどういう実験をしたほうがいいのか。
これも全行程において必要。
実験する前も「こういう結果が得られるだろう」ということは意識しながらやる必要があります。
特に「く:比べる」は薬剤師の学会でも意識できてない発表は多い印象だし、いろんなところで忘れられてるような気がする。意識しましょう。
というわけで素人ながら、「かきくけこ」は大事だなと思った次第です。
以上。